北京大来による日中通訳集中講座―同時通訳篇

  2016年7月31日日曜日、多くの受講生が期待していた北京大来通訳集中講座―同時通訳の実践練習が行われました。

  当日午前中は、中国語から日本語への同時通訳練習を中心として授業が行われました。受講生はブースに入り、講師の蔡院森先生から実践的な同時通訳の練習の手ほどきを受けました。同時通訳の原稿と資料は、一週間前に受講生に配布し、事前準備をして授業に臨むようにとの指示がありましたが、もらった資料と実際の同時通訳練習の内容には変更した箇所が多くありました。ではなぜこのような教材を選んだかと言いますと、受講生たちに現場での臨機応変の対応能力を身に付けてもらい、現場でこのような状況に出くわしても、慌てず落ちついて、堂々と訳すべきであると蔡先生は語られました。受講生たちがブースから出てくると、蔡先生は長年に渡って培ってきた現場の経験をもとに、受講生一人ひとりの問題点を指摘し、的確かつ丁寧にアドバイスをされていました。今回、蔡先生は主に、受講生の発音問題に注目しました。日本語の発音で、アクセント、長音と促音、濁音が異なると、スピーカーの話す意味と大きく違う場合があるので、日頃から発音は気をつけなければいけないと蔡先生はアドバイスをしていました。

  午後からは、日本語から中国語への同時通訳を中心に練習しました。日本語から中国語への原稿は専門性が強く、論理性もあります。この原稿の練習を通じて、蔡先生は受講生に同通の心得―「訳漏れは恐れず、誤訳を避ける」と語りました。現場では、訳漏れは避けられないが、誤訳をなるべくしないようにして、聞いて分かった内容を完全に、かつ正確に受け手に伝え、「誤訳をするくらいなら訳さない」ことがポイントです。自分がわからないところに関しては、仕事が終わってから自分でしっかり分かるようになるまで聞いてこそ、通訳者としての成長につながるとお話しされました。

  2回の講座終了後、受講生からは「勉強になった」「素晴らしい講義だった」という声が多く聞かれました。受講生の多くは、同時通訳練習を通じて、トップ通訳者の蔡先生の通訳者養成事業に対する情熱を身にしみて感じただけではなく、同時通訳に対する認識もより一層深められた一方で、自分の不足点が分かり、努力すべき方向性や目標もより明らかになったと思いますと話していました。

 




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